調湿の設計

これまでに,壁紙と下地の組み合わせ,さらには気積率が,壁装の調湿特性に,どのような影響を及ぽすのかについて調べてきた。壁装の調湿特性は, このほか温度の変化速度にも大きく左右される。

温度の上昇速度が速くなるにつれて,調湿が追いつかなくなる。例えば,気積率2の場合(6 畳くらいの部屋の全内面に,木材を内装した場合に相当),温度がきわめてゆっくりと変化するときには,B値はおおよそOとなり,室内は ほぼ完全に調湿されるが, aのように 急激に温度が変化するときには, B値は約 0.0085 と小さくなり,同じ面積を内装したとしても,調湿性能が大きく低下することがわかる。

ここで,木材の上にビニール壁紙を張った壁装で, 6 畳くらいの部屋の全内面を内装する。このことは,先に述べた木材相当量も,材料ごとに一定値をもつものではなし温度の変化速度が異なれば,違ってくることを意味している。

木材ではどれくらいの面積で,同じ調湿効果が得られるかを,温度変化速度別に求めてみると, 速い方から, 1 /10 1 /6 1 /4および 1/3 のような割合に各気積率での B値 と平均温度の変化速度との関係である。

気積率と温度の変化速度を考慮すれば,小さなステンレス箱を用いて,実際の住宅内の相対湿度の変動の挙動を実験室規模で簡便にとらえることができる。言い替えると,住宅内の内装材料による調湿効果が,どの程度になるかを予測できるということである。